システム化の相談では、現在使っているExcelや紙の帳票を見せながら「これを画面にしたい」と言われることがあります。現状を見える形で共有することは大切です。
ただし、現状の帳票や作業手順をそのままシステムに移すだけでは、手間が残ったまま画面が増えることがあります。システム化は、今の業務を見直す機会でもあります。
今の手順は、そのまま要件ではない

現在の業務手順には、過去の都合や一時的な対応が残っていることがあります。担当者が変わっても理由が説明できない項目や、誰も見ていない確認欄が残っていることもあります。
それらをそのままシステムに入れると、不要な入力や分岐まで固定化されます。
- 昔の運用の名残で残っている項目
- 担当者ごとに違う判断基準
- 確認しているが使われていない情報
- 同じ内容を別の場所にも入力している作業
例外処理が多いほど、開発も運用も重くなる

現場の業務には例外がつきものです。ただし、例外をすべてシステムに組み込むと、画面もデータも複雑になります。
まずは、その例外が本当に必要なのか、頻度はどれくらいか、手作業で残してよいものかを分ける必要があります。
- 毎日発生する例外
- 月に数回だけ発生する例外
- 担当者の判断で吸収できる例外
- ルールを変えれば不要になる例外
二重入力を前提にしない

Excel、メール、チャット、紙が混在している業務では、同じ情報を何度も入力していることがあります。システム化の目的の一つは、この重複を減らすことです。
そのためには、どの情報を最初に登録し、どこで更新し、誰が参照するのかを整理する必要があります。
- 最初に情報が発生する場所
- 更新が必要になるタイミング
- 最終的に確認したい一覧や帳票
- 他システムとの連携が必要な情報
システム化の前に、業務ルールを整える

システムは曖昧な業務を自動で整理してくれるものではありません。むしろ、曖昧なルールをそのまま入れると、使い方が人によってばらつきます。
最初から完璧なルールにする必要はありませんが、最低限の入力基準、承認基準、権限、更新責任者は決めておくと導入後の混乱を減らせます。
- 必須入力にする項目
- 承認が必要な条件
- 編集できる担当者
- 履歴を残す操作
- 運用上の問い合わせ先
まとめ
- 現在の業務手順をそのまま要件にしない
- 例外処理は頻度と必要性で分ける
- 二重入力を減らす前提で設計する
- 帳票だけでなく業務の発生点から考える
- システム化の前に最低限の業務ルールを整える


